段ボールのリサイクルとは?

段ボールのリサイクルとは?

段ボールのリサイクルとは、一旦使用された段ボール箱を回収し、新しい段ボールに再生・再使用することです。
段ボールの素材は紙ですのでリサイクルに適しています。
他の資源ゴミと同様に、段ボールもリサイクルすることで資源を節約し環境問題に貢献します。

 

段ボールのリサイクルは、古紙回収製紙段ボールの3つの業界が一体となって資源循環を支えています。

家庭からでるもの、企業からでるもの、日本では段ボールがぼぼすべて回収され、リサイクルされています。

段ボールのリサイクルとは?

段ボールのリサイクルとは、概要で触れたように段ボールの再資源化を指します。
一度使用された段ボールは分別・回収され、新しい段ボールに再生されます。
また、段ボールの素材は紙です。

 

分別回収することが望ましいですが、油汚れなどがあり回収できない場合は細かく砕いて焼却でき、サーマルリサイクル(熱エネルギーとして再利用)が可能です。

 

近年SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)など環境問題が注目される中、石油系の包装素材より木材系の素材が注目されるようになってきました。
段ボールもその原料の90%以上が段ボール古紙であることからリサイクルの優等生として関心が持たれています。

 

段ボールリサイクルマーク

 

段ボールの回収と再生産

日本では段ボールの分別・回収方法が確立しているため、リサイクルシステムが有効に機能しています。
日本の段ボール古紙回収率は95%以上という高い数字になっています。

 

中国は回収のシステムが元々無かったため古紙を輸入していました。
近年国内の環境問題が深刻化し古紙の輸入を中止、中国国内で回収を始めています。

 

古紙に限らず廃プラなどでも同様の動きがあり日本にも多大な影響が出はじめています。(機会があれば後日別項で説明します。)

 

日本の場合、家庭から出る段ボールゴミは、他の資源ゴミと同様に主に自治体が回収します。
企業
から出るゴミは資源ゴミであっても産業廃棄物のため産廃業者によって回収されます。

 

古紙は資源ゴミとして価値がありますが、常時大量に排出される場合(段ボール加工業等)を除いては費用がかかります。
古紙の引取には運賃、人件費がかかるためです。
また古紙相場によっては大量に古紙を出す会社でも引取は有料になります。

 

回収された段ボール箱は古紙回収業者により古紙問屋に運ばれ、回収された段ボール古紙はここで重量約1tの塊にプレスされます。
この塊が、製紙工場に運ばれ段ボール原紙の原料になります。

 

古紙ヤードのイメージ

 

製紙工場ではパルパーという機械で古紙は水に溶かされ不純物を取り除きます。その他の原料を加え撹拌されて、抄紙機という機械を通り段ボール原紙になります。
段ボール原紙において古紙使用率は90%以上になります。
段ボール原紙は加工されて新品の段ボールケースになります。

段ボールの3Rについて

リサイクルとは環境配慮・廃棄物対策に関するキーワードとして知られている3Rのひとつです。

 

3R(スリーアール)とは、以下の3つの語の頭文字をとった言葉です。
1. Reduce(リデュース):減らす  物を大切に使いゴミを減らすこと。
2.Reuse(リユース)繰り返し使う。物を繰り返し使うことでゴミを減らすこと
3.Recycle(リサイクル)再資源化 ゴミを資源として再び使用する。

 

この優先順位で廃棄物の削減に努めるのがよいとされています。

 

段ボールの3R

 

段ボールでリサイクル以外の3Rについてどのような取り組みがなされているのでしょうか?

 

1.のリデュースについては、設計時工夫して箱に使用する材料の面積を減らす・材質を薄物化して材料の使用重量を減らす、等の取り組みをしている企業があります。
しかし、段ボール箱は商品の保護に有用、かつ輸送には必須のものであるため、使用しないわけにいきません。

また、他の素材よりも環境負荷が低い素材なので代替えの容器もありません。
その多くの使用方法としてワンウェイ(出荷元から仕向先)であるため、製品の出荷数に比例して使用量が増えてしまいます

他にも、近年の個人向け通販需要の急増により異なる商品を同梱するため、内容品よりかなり大きな段ボールが(中がスカスカ状態で)使用される傾向があります。
全体でみると消費が減速する以外の事由でリデュースは困難と考えます。

 

2.のリユースに関して、イメージしやすいのがリターナブルのガラス容器です。
瓶ビールの場合はビン代込で購入し、酒屋にビンを返却すると戻ってくる仕組みです。
ビール瓶は洗浄され再利用されます。

 

リターナブル容器は環境良いイメージがあります。
しかし、ガラス瓶はアルミ缶やペットボトルに比べ重量があり、配送時のガソリン(CO2排出量)も同時に考える必要があります。

 

段ボールの場合、昔から生産拠点間の通い箱や仕分け用の箱として繰り返し使用される場合があります。
この場合の競合品はプラスチックコンテナーや折りたたみコンテナーとなります。

 

通い箱も数回~十数回使用すれば傷んで交換が必要です。
また、スーパーマーケットで、製品が入ってきた段ボールをお客様に無料で配布する光景は良く見ると思います。

 

同様に、製品が入ってきた段ボール箱を再利用して各店舗に発送している物流センターもあります。
しかし、新品の段ボール使用の方が効率的で再利用は限定的です。
このように複数回出荷に使用する場合は稀で、消費量全体からいえば再利用は少ないと思われます。

 

リデュース、リユースについてはこのような現状ですが、先に述べたように、リサイクルに関して段ボールは他の再生資源に比べても優秀な素材であると言えます。

家庭で段ボールを分別する際の注意点

通販の購入などが増え、家庭捨てる段ボールが多くなってきました。
迷うこともあるかと思います。注意点を記載します。
基本的には各市町村の分別・回収方法に従ってください。

 

 

段ボール 資源

 

 

段ボールは段ボールでまとめます。
他の紙と混ぜると質が悪くなります。

 

自治体によって若干違いますが、紙類は段ボール、新聞、雜誌、牛乳パック、その他の紙(雑紙:ざつがみ)の5種類に分けます。
ここで紛らわしいのは段ボール以外の紙器箱です。

 

前項「段ボールとは?」で述べたように中に波々の紙(中芯)があるものが段ボールです。
同じ紙の包装であっても波々が無い箱は紙器と呼ばれるものです。雑紙に分別します。

 

油など汚れがひどいものは、細かく砕いて燃えるゴミに出してください。

また、洗剤や化粧品などの香料がついてしまったものも再生できません。
気がついたら燃えるゴミに出してください。
余談ですが、大手の製紙会社の古紙置き場では訓匂いのついている古紙を訓練された犬に探させるところもあります。

 

③段ボールは大きいものも小さいものあります。
なるべく大きさを揃えて紐を掛けてゴミに出します。
段ボールは水に溶解されて再生されますので、もし紐が混入していても、その工程で除去されます。

よくテープを剥がす、ステープル(ホチキスのような止め具)を外すようにと書かれています。
もちろん分けた方がよいですが、完璧を目指さなくても大丈夫です。
紐と同様に分離されます。
ただし通販等の伝票が貼られている場合は個人情報の点からも剥がしておいたほうが良いでしょう。

 

自治体の回収日に合わせて出してください。

 

⑤通常の量であれば、①~④を守っていれば問題ありません。
大量処分する場合は数回に分けるか、業者に頼みます。
市町村によってホームページで処理業者が紹介しているところもあります。
中には悪質な回収業者もあるようですので参考にしてください。

 

引っ越しの場合、引っ越し業者によっては後日引取に来てくれるサービスもあります。
事前に確認しましょう。

まとめ

段ボールはこのようにリサイクル性に優れた素材で環境に優しい製品です。

 

段ボール製品は使用された後再び段ボールに生まれ変わります。
しかし十数年前は、紙の使用は森林破壊につながるから止めようという風潮がありました。
紙の消費増は環境負荷が大きく、環境破壊につながるという主張が多くみられ、ペーパーレスという流れも加速しています。

 

紙の原料となる木材パルプ製造には森林の伐採が必要です。
しかし、現在は伐採後に植林する、間伐材の使用、樹木の代替え植物を検討するなど持続可能な環境を目指し様々な取り組みがなされています。

 

そのような状況のなかで近年FSC®認証という制度が注目されています。

 

Forest Stewardship Council®(森林管理協議会)は、環境的に適切で社会的便宜を満たし、経済的に発展可能な世界の森林経営を推進している非営利、非政府組織です。

 

FSC®認証とは、FSC®の基準にしたがって適正に管理された森林の木材を原料とした製品が消費者の手に届けられるまでの適切な加工・流通過程を証明するものです。

 

もちろんリサイクルされた段ボール製品も対象となりますが、保護された森林に由来する製品(再生紙ではない)も対象となります。
FSC®認証を受けた製品には独自のマークの印刷が許され、そのマークがついた製品を購入することで、森林保護に貢献できます。

 

イクソブ株式会社は東京事業部・北関東事業部でFSC®CoC認証を取得しました。

 

当社は環境への取り組みを続け、お客様から信頼される製品の提供を目指しております。
お客様の製品に認証マークを印刷することが可能です。詳しくはお問い合わせください。

 

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